2010年9月27日月曜日

釣りバトル第22戦 洲崎デビュー

2010年9月26日(日)釣行
早川丸
洲崎沖~白浜沖 水深180m 中潮
曇り 東北東の風3~5m
波0.5m うねりあり

スルメイカ 10杯 胴長20~30cm
上さん 同11杯 胴長25~35cm

「1497g対908gで勝ち!」帰宅後の3杯計量の結果。数・重ともに負け。スルメイカでまさかの完敗。ジャンボスルメを手に得意満面の上さん。

今シーズンは長井港のスルメが不調で、早々にヤリイカが始まったがこれもまだ厳しそう。洲崎港にある早川丸に初釣行。休憩所で知り合ったのは横須賀からの四人。いつもは長井港へ行っているというから考えることは同じらしい。小さな港のほのぼの感が良い。釣り人7名で余裕の左舷3名のトモと胴の間。往路・復路ともに2時間弱と、思ったより近い。

行程10分ほどの洲崎沖。直結でスルメイカの顔をみる。乗り渋く、三流し程度で白浜沖へ。上潮が早い。ただでさえ落下スピードが速くないBM、太いラインがフケてぼんやりしていると底も取れない。ようやく掛けたイカもうねりのためか、巻上げ中にバラす。中盤、相変わらず手前マツリさせる上さんの仕掛け解き3組で船酔い気味。終盤、ブランコに代えてポツポツ追釣、なんとかツ抜け。

軽い1000SPを使わせた上さん、細いラインで落下スピードも速いので真っ先に着底する。シャクリも様になり、教えたわけではないのに静止してアタリを見ている。やおらホルダーに掛けたかと思いきやウィンチ巻き。竿が大きくしなる。多点掛けしているだろうと眺めていると、ミヨシ氏とオマツリ。船長が急ぎミヨシに駆け寄り解く。俺は胴の間に駆け、海面に見え隠れするスルメをマツったまま引き上げる。ゾロゾロ4杯。ミヨシ氏のラインに絡んでいたので、全て上さんの掛けたものだ。5本針で4点掛け!まいりました。

シマノ BJSスルメイカ直結120+B、シマノ 電動丸3000BM PE6号
ヨリトリリング、 中錘10号(直結時のみ)、18cm直結9本針、18cmブランコ7本針、錘120号

上さん シマノ BJSヤリイカ165+B、シマノ 電動丸1000SP PE3号
5号中錘付きクッションゴム、18cmブランコ5本針、錘120号

2010年9月22日水曜日

釣りバトル第21戦 テッサ・テッチリ

沖から見た江の島
こんなところに…
2010年9月20日(月、祝)釣行
庄三郎丸 ライトウィリー 12号船
江の島沖 水深30~70m
晴れ 南東の風0~3m 波0.5m

アジ 17本 23~30cm
トラフグ 1本 1kg
イナダ、マルアジ、ゴマサバ混じり

上さん アジ 5本
ゴマサバ多数リリース

美容院代稼ぎもあるが、アタリの手応えを味わいたくてしょうがない上さん、「三連休は二回行がな納得でけへん」とうるさい。浅場でアタリの多い庄三郎丸のライトウィリー。夏休みも終わり10名と少ない右舷ミヨシ2、3番に。久しぶりなので新港の完成を知らなかった。「あの人知ってる!」と最近は釣り雑誌やTVもこっそり見ているらしい上さん。見やると隣の船に村越正海さんが乗り込んでいる。仕立てなのか乗合なのかわからぬがカツオ・キハダ狙いで、取り巻きが見当たらないのでプライベート釣行らしい。身にまとう物が違うからか、小柄な体から風格が漂う。

平塚港を出るとこれまでとは逆の東に航行して江の島沖。手始めはアジ狙いで上からのタナ50-45mとこの釣りものにしては深い。アミコマセが効き始めた2投目から良型のマアジがポツポツ。が、すぐにゴマサバが集まってきて落下中に喰ってくる。バトルは魚種を問わない一匹の重量勝負だが、キープしきれない数にサバは対象外とすることを早々に決定、釣ってはリリースを繰り返す。ウィリー針を減らし、付けエサをつけず、コマセカゴを全閉にしてサバをかわし、なんとかアジを追釣。上さんにも同じ手を使わせるが、どういうわけかアジ1匹を釣った後は、サバのダブルやトリプルを連発。始めこそ良型アジかとワクワクして楽しんでいたが、その内引きの違いがわかってきたのか、「またサバや」といっぱしのセリフ。座席間隔があるのと、アタリから巻上げ開始までの手際が良くなったことで、オマツリは少なくなったのが救い。あまりのサバ猛攻に船長もたまらず、30mの浅場に移動。イナダ・ワカシ狙いだが、船中で本命のアタリがないまま、ここでもすぐにサバが来襲。以降、浅場・深場を行き来してサバをかわしつつアジを釣り上げる展開。サバの入れ食いに上さんはブンむくれモード…。

マルアジ混じりながら17匹を確保した俺は、もう充分。バイオイカ短を使って底のマダイを密かに狙う。針掛りにいたらない前アタリが数度あり、期待が膨らむ。即アワセでついに掛けたずっしり感。タイの引きじゃあないなーと感じつつ、抜き上げたのは大型のフグ!しかもショウサイでなくトラフグ!相模湾に、それも江の島のすぐ沖合いにこんな立派なトラフグがいるんだとびっくり。仲乗りさんも良い物釣ったねーと羨むちょっとした騒ぎに。桶で丸々とほっぺを膨らますフグ。静かな隣をふと見上げると、丸々とほっぺを膨らます上さん。…そっくり。俺の桶を一瞥して「そんなん釣ったら勝たれへんやん」と。このフグの価値はどうでもよく、大アジを釣ったとしても重さで勝てないことがご不満らしい…。
アジ23匹とラストにイナダ
あともう一匹は調理中…

まったりムードの沖上り30分前、「メジがあがったので移動します。太いハリスを持っている人は代えてください。」と船長がアナウンスするや否や急行。あわてて5号イナダ用の仕掛けに代え、5cmのバイオイカを丸々付けて備える。上さんにも同じ仕掛け・エサに代えさせる。烏帽子岩沖にできた船団に横付け急停止すると同時に「やってー、20mから15m」と船長。即投入、シャクリ2往復目にヒット!ドラグが滑る引きに興奮。これぞライトタックルの面白さ。やり取りを堪能して仲乗りさんのタモに収まったのはイナダ。「キメジ1本とイナダ2本あがったよー」の船長アナウンスに、即再投入する。が、それっきりで終了。期待のキメジが釣れずに残念だったが、トラフグ・イナダに満足。「あれ?それいつ釣ったん?」とイナダを指さす上さん。投入に失敗しクライマックスのチャンスを逃す手前マツリ…。懸命に解いていて、俺にヒットしたのも気付かなかったらしい…。

立派なトラフグ
テッサ、テッチリで至福の味
帰港。フグを捌くには専門の調理師免許がいるが、船宿にはおらず平塚周辺にフグ料理店もないという。ショウサイフグ乗合を出している船宿なら捌いてくれるが、知るところは遠い。俺がやたらとこだわるので、昔食べたテッサ・テッチリ(って関西弁なのか、関東ではフグ刺し・フグ鍋としか言わないようだが)の材料らしい、とトラフグの価値を思いだし始めたらしい上さん。自宅近くの魚貝売り場に聞いてくれたが、フグ免許保有者はいない。駅近くの古い寿司屋がフグ看板を出していたのを思い出し、持ち込みで喰わせてもらうことを交渉させる。あれこれ難色をつける女将さんにも平身低頭頼み込んで、OK獲得。こういうことは上さんに限る、俺だとこうはいかずに門前払いだ。

一度帰宅して来店すると、預けたフグを店主が捌きながらブツの良さを語ったのだろうか、女将さんの態度が上客扱いに一変していた。テッサを頬張る。「旨い!やっぱ調理の腕が良くないとこうはいかないな、ありがとう。」と水を向ける。「このあたりじゃウチとあと一軒しかないよ、フグは。上物だな。サイズも1kgで一番旨いところだ。市場でもなかなか手に入らねー。どこで釣った、滅多に喰えねぇよ。」と店長。なんという至福。テッチリをしゃぶった上さん、「おいしい~。お腹一杯になってきた。これ何人前あるの?通常いくらぐらい?」と下世話なことを聞く。「5人前だな。だいたい一人前3万5千円。」と店長の返事に、二人して目がテン。(鍋の材料と)フグの捌き・仕込み代として5千円ポッキリで、二人で十数万円相当のフグ料理を堪能。雑炊は満腹で食べられない。女将さんが自宅でとテッチリスープの持帰り用袋を、ヒレ酒用に干しなとヒレと併せて持たせてくれた。上さんも貧果のフグれッつらを忘れて大満足な様子。…と思いきや、「良かったなー。今日は船代入れても元取ったどころか、めっちゃ儲ったね。」…満足な理由が俺とは若干違うらしい。

シマノ BIマルイカ165、ABU 5500C PE2.5号
天秤40cm、クッション30cm、プラビシ40号、1.75~3号 3~4本ウィリー仕掛け

上さん 三咲 ライトマスターII-180、アルファタックル 船100PH PE1号
天秤30cm、クッション30cm、プラビシ40号、2.5~3号 3本ウィリー仕掛け

2010年9月19日日曜日

釣りバトル第20戦 片貝デビュー

ポイントへの航行中に昇る朝日
すがすがしい気分に
2010年9月18日(土)釣行
源七丸 2号船
片貝沖 水深27m 若潮
晴れ 北東の風4~5m 波0.5m

ヒラメ 5枚 40cm-55cm
ワカシ 1本 40cm
上さん 同1枚 46cm

9月に入って片貝港のヒラメが一部解禁(海域限定は10月には全面解禁)して好調。絶好調で馴染みの外川港にしようかと迷ったが、いかんせん遠い(往2.5時間、復3.5時間)。片貝港は1時間ほど近くて楽。船宿も多くて迷ったが、源七丸を選択、初釣行。着いた時には空きがわずか3席の盛況。片舷8人ずつの右舷ミヨシ2、3番に滑り込む。5時前の暗闇に靄の中、慎重に進む港内がやたら広い。

「よーし乗ったー」竿をしならせニンマリと上さんを見やると、ひきつった顔でバラセと目が念じている。そうはいくかと仲乗りさんのタモに収めて、小型ながらまず一枚。このところ「ヒラメでは負けない」と調子こき、金欠のため美容院代稼ぎを目論む上さんを、黙らせるのが今日のテーマ。べた底狙いと高ダナ大物狙いで、ともに失敗した前々回前回の反省から、基本に戻って底上1mのタナを中心にまめな底ダチ取り直しで誘う。「こいつはでかいぞー」と取り込んだ50cm超の2枚目をみて、あからさまに憤懣と落胆の表情を見せる上さん。そのわかりやすさがおもしろい。3枚目には最早反応を示さず、自らの竿先を睨みつけたまま。
良型から配布後残った釣果
赤ピンは上さんの目印

前あたりで「来た、来た」と慌て巻き上げ、すっぽ抜けを二度繰り返した上さん。すぐ後ろの操舵室の船長をやきもきさせる。「コードがあるなら船電源使いなよ」の電動巻きアドバイスにも応じない。親切な船長で気に入ったようだが、オデコ候補筆頭になんとか釣ってもらいたい船長の思いはわからぬらしい。じっくり待った3度目はヒットさせた。相変わらずノサれる竿を引き起こしてやり、巻かせる。取り込んだのは46cmの良型。だが俺の2枚目をみた後ではいかにも小さく見える。落胆する上さん、安堵する船長。

「現在トップは4枚が2名。もう1、2枚がんばって。」と船長のマイクパーフォーマンスはラスト1時間。内1名の俺も奮起、手持ちに切替えて底をトレース。ソゲながら1枚追釣。船中0-5(2番手4枚2名)の竿頭、テーマも達成して大満足。帰港が12時と早いこともあり、帰り道の裾分けを思い立つ。世話になっている職場の先輩二人と上さんの知人宅を巡って、型の良い物から順に手渡す。帰宅前の車中「残ってるヒラメで計量するんやろ、私の勝ちやな」と上さん。…んなわけないだろ。

BJSミヨシ 40-255+B、ABU 5500C PE2.5号
錘60号 球型発光、ハリス5号80cm捨て糸3号50cm他

上さん
アルファタックル パワーインナー船 30-270、シマノ電動丸1000SP PE3号
錘60号 小田原型発光反射付、ハリス6号80cm捨て糸4号50cm他

2010年9月12日日曜日

釣りバトル第19戦 執念の連チャン釣行

近くのハーバーからのヨット群
2010年9月12日(日)釣行
進丸 8号船 午後シロギス
磯子沖 水深8~20m 中潮
晴れ 東北東の風 4~5m 波0.5m

シロギス 8匹 15cm~23cm
アジ、イシモチ混じり
上さん
シロギス 9匹 17cm~20cm

上さんの釣果
型が揃って178g
昨日釣行のブログをUpした頃、起き出した上さんが朝からうるさい。初ボウズが相当悔しいらしい。引きを味わいたいから、シロギスの半日で良いから、運転するからとひつこい。このままではのんびり将棋も見れぬと、急遽午後のシロギスへ。連日釣れずに文句重ねられてはたまらんので、船宿も釣り座も選択を本人にさせる。進丸の右舷ミヨシ1、2番。とはいえ、日曜午後となると釣り人も少なく総勢5名だけ。右舷は3人で、実際かなりトモよりの操舵室真横。

ポツリポツリと釣り上げ、23cmの太い良型も。磯子の工業地帯のすぐ際だからか、なんだか油臭い気がする。と思っていると頭痛がしてきた、やはり少々バテ気味か。前半さっぱりアタらずの上さん、相変わらず黙々と竿先だけを注視している。見かねたか、船長が操舵室からレッスン。イソメは5cmほどに、胴突きなら時々張らせるぐらいの弛ませに、アタリがなけりゃ大きく聞きあげて誘う。俺の言うことは聞かないのだが、船長の言には着実に従う。その甲斐あってか、ポツリポツリと釣り上げる。へばって座り釣りのためか後半ばったりアタリの止まった俺を尻目に、尻あがりに追釣し20cmの良型もいくつか取り込みニンマリ。

俺の釣果
本日最大23cmの他は小さすぎ…
帰宅後数え直してびっくり、数で負けてる。デカイのがあるからとタカをくくっていたが、俺のは一匹の他はどれもコンマイ。ヤバい、上さんの釣果は平均して20cmが揃っている。3匹の重量勝負、検量の結果は156g対178g。あかん、完敗だ(3敗目)。勝利を確信していたからか、無理に釣れ出した礼のつもりか、(発泡酒でなく)ビールを差し出した上さん。にこやかに「賞金頂戴」 財布から取り出し「よし、これ賞金。おっと、借金返済の一部してもらおう」と取り戻す。むっつり顔の上さん「来週の連休はヒラメとワラサで連勝して返したる!」…頭痛がひどくなってきた、早よ寝よ。

シマノ BIマルイカ165、 ダイワ ウィスカートーナメント SS-750LB PE1号
錘15号 胴突2本針0.8~1号
上さん
三咲 三咲ライトマスター II-180

アルファタックル NB船100PH PE1号
錘15号 胴突1本針1号

釣りバトル第18戦 坊さん恐れて釣りができるか

久里浜発電所の三煙突
相模湾にいても方角確認に重宝
2010年9月11日(土)釣行
ムツ六釣船店 第28東丸
久里浜沖 水深30m 中潮
晴れ 南西の風 1~5m 波1m

マダイ 0 ゴマサバ 多数
上さん 同様

秋の数釣りにはまだ早いが、9月に入って大型マダイがポツリポツリと出始めた久里浜。台風9号の影響と定休日で3日ほど出船なし。明けた11日には沈黙か爆釣かのいずれかだろう。大型一発のギャンブルに出てみたが、トホホのボウズ。一日アタリなし。11人が乗り込んだ左舷胴の間。船中3枚0-1(別船も同じ)では無理。俺の釣果はのんびりした船上の一日。上さんには、サバの猛攻が取り込みの良い練習になったろう。渋い展開にも匙を投げずに一日竿を持ち続けたのは立派。

この日は久里浜沖すぐの
この航行灯回りを丹念に探ったが…
その上さんは帰路、「愛想が悪い」「タイがおらん」「サバばっかりやのに動かん」「食べ物もおみやげもない」と文句連発。初の本命ボウズに「あぁ悔しい」が本音だが、憤まんやるかたなしの態。まぁ言わせておこう、これだけベラベラしゃべれるなら復調だ。禁断パチンコをまたしてもしでかしたために、飲み物買う金にも困窮し、離別回避に人生初土下座した悔しさから、ドヨーンブスーっと閉じこもっていた昨日までとは、まるで別人。ふてくされの行かない宣言していた釣りにも、なけなしの金を前借できた途端に、「何のこと?行くに決まってるやん」だから、恐れ入る現金さ。幸せな性格と言うべきか。

散々悪態をついた挙句、「腹立つな~、明日ヒラメでもイナダでもええから釣れるもんに行こ!」 …勘弁してくれ~、準備も片付けも運転も魚捌きもなく、船乗って釣るだけのお嬢様釣行じゃないんだから、こっちは。…ま、今日は捌く魚がないだけ楽だったが。

シマノ BJSミヨシ40-255+B、電動丸3000BM PE6号
天秤70cm、プラビシ青物バスターL80号、クッション1m、3号8m1本針他

上さん アルファタックル パワーインナー船30-270、シマノ 電動丸1000SP PE3号
天秤70cm、プラビシL80号、クッション50cm、4号8m1本針他

2010年9月5日日曜日

釣りバトル第17戦 魚釣るなら船長を釣れ

マアジ41匹、中型金色で食べ頃。
右はサバ。細くてリリースサイズながら、
バアバに送るからキープと上さん。
2010年9月4日(土)釣行

忠彦丸 3号船 LT午後アジ
南本牧沖~磯子沖 水深15~20m 若潮
晴れ 東の風2m 波0.5m

マアジ 41匹 20-25cm サバ混じり
上さん 同4匹 20-23cm サバ混じり

先週末は先輩宅でBBQ。前回同様、楽しかった。イナワラ、ヒラメ、メジナ、アジを持ち込み、全ストックがなくなった。「久里浜でマダイが釣れ始めた。スルメは相模湾がダメだが南房で釣れてる。今週末はどっちにするかなー」と思案していると、「アジがいい。忠彦丸で。」と上さん。船宿指定は珍しい。金曜に飲み会があったので、土曜の午後船に。9月だというのに真夏日。暑い。

受付で座席ボード上の船長顔写真にニマニマする上さん。なるほど、お目当てはアジではなく、若いイケメンT船長らしい。いい年こいて…、は危うく飲み込む、反撃が厄介だ。乗船し左舷ミヨシ2番にクーラーを置くやいなや、そそくさと操舵室に向かう上さん。「今日はよろしくお願いします!」と元気いっぱいの挨拶。いつもは促さない限り挨拶などしないのだが…、とおかしみがこみ上げる。「笑顔がかわいい~❤」とルンルン気分で準備。「仕掛けも絡まずエサ付けも一発…。今日はいいとこ見せられそうな気がする。」と操舵室を見やる。その様子に俺もとうとう笑ってしまう。「わっはっはー、がんばんなー」とごまかすが、内心、そんな邪念を持ってできるほど釣りは甘くねー、だ。「いつもの竿は柔らかすぎてコマセが上手く撒けない」といっぱしの上さん。「じゃあ俺がそれを使って、竿の違いでなく腕の違いだと証明してやろう」と、硬めの竿を使わせる。

喰ってこない小柴沖を早々にあきらめたイケメン船長、南本牧沖のポイントに移動。コマセ撒き役の左舷ミヨシ1番だが、まずまずの23cmを釣りあげる。「型見たよー」のアナウンス、船中1号はいつも気持ちいい。以降投入毎にポンポン釣れるが、船中ではポツンポツンな様子で、上さんにもアタリがなく「なんで、あんたばっかりー?」。潮が緩くて喰いが悪かろうと、俺は1.7号ハリスを使用。細いハリスが奏功しているのかもと、上さんの2号ハリスと交換させて、確かめてみる。ビンゴ。上さんにアタリ、俺にはアタらない。仕掛けのストックは2号以上ばかりなので、1.5号を船上購入。以降入れ食いモード。様子を見た船長は錨をおろして、このあたりのLTアジでは珍しい掛かり釣りに。終わってみれば、船中3-41の竿頭。

仕掛け交換後、相変わらずの手前マツリで1時間を要したものの、4匹+サバを釣り上げた上さん。灼熱の中でマツリ解きを繰り返したからか、目がうつろに。仲乗りさんに促されて、船室で休憩。「この船はエアコンついているから、すぐに良くなって戻りますよ。」と仲乗りさん。「すんません、ありがとう」とだけ応じる。爆睡して戻らないであろうことは、余人にはわかるまい。帰港して下船のドサクサに紛れて船室から出てくる上さん。珍しく起こさずにすんだかという思いと、バツ悪そうにコソコソする様子とに、ひとり爆笑する。

帰路、シロギス大会でゲットの食事券を使える割烹寿司店で夕食。高級感漂う店ながらリーズナブルな価格で旨い。沖上り後のビールが美味い。寿司が冷酒を誘う。運転は上さんに任せられるので助かる。「エエとこ見せるどころか、めっちゃカッコ悪いとこ見せてもた…」と上さん。「動機不純で釣れるほど甘くねー」は全く聞いていないのだろう、「でもな、操舵室の後ろやから、起きた時に船長の足がすぐ近くに見えてん、締まっててカッコ良かったー。アジはすぐ配るからまた行こな。今度こそエエとこ見せるねん。」 俗に「魚釣るならまず船長を釣れ」と言うが、…これは全く意味が違う。ま、釣りの楽しみ方、ひと様々。

シマノ BJSライトゲーム64 155I+B18、ABU 5500C PE3号
貸し天秤、貸しビシ40号、貸し輪ゴム20cm、2m 1.7~1.5号 3本針

上さん
シマノ BJSマルイカ直ブラM165+B、アルファタックル 船100PH PE1号
貸し天秤、貸しビシ40号、クッション30cm、2m 2~1.5号 2~3本針