2012年5月13日日曜日

事実しか書かない


二人の釣果。ハプニングの写真を
撮っときゃよかったと、いつも後で気づく。
 2012年5月12日(土)釣行 小潮
進丸8号船 午後シロギス 右舷トモ1-2番
出船12:25 沖上がり16:00 帰港16:25
中の瀬 水深18m前後 波0.5m
曇り時々晴れ 南西のち北の風3-7m

シロギス
俺 14匹 16-20cm 最大68g
上さん 10匹 14-18cm 最大55g

トラギス 1匹
マアジ 2匹 30-35cm
アカタチ(?)、 ヒイラギ、小コチ類 リリース多

あれこれ悩み多くて身動きのとれぬ上さん。「5千円釣り勝負する?」の救済策に飛び付いた。マルイカを勧めるが、「あかん。キス。1匹の重さ勝負。」と譲らない。朝は寝たいとのご希望。進丸の午後船へ向かう道中には、「型とは別に、数でも5千円」と言い出した。1年ぶりの釣行で半日しかもたない、一匹の大きさなら運次第、それで5千円確保し、あわよくば数でも勝って計1万円、という目論見らしい。俺にとっては、両方(片方)勝っても犬の散歩4回(2回)免除、片方でも負けると五千円支払い、と割に合わないが、まぁ良かろう。「なんかハンデないの?」と上さんは調子づく。「賭けているもの自体がハンデ」と却下。

「思ったより渋滞なく早く着きすぎましたね」と、宿でお子さんを二人連れた先客に挨拶。「そうですね。あれっ、ホームページやってますよね?確か、ジャックさん」の返答にびっくり。日記のつもりで始めたこのブログ、知り合いしか見なかろうと思っていたら、そうでもないらしい。恥ずかしいやら、照れくさいやら。こんな駄文でも見てくれる人がいるとは、ありがたいことだ。上さんもびっくり、乗船準備中に話していたらしい。念願のトモ席を確保すると、「もっとキツイ感じの奥さんかと思ってたと言われたやん。釣り物もいつもあたしが決めてるって」と、ブログ上の印象を気にする。幼顔でニコニコと人当たり良く、素直なのが取り柄だが、見かけに惑わされてはいけない…。とも言えず「俺は事実しか書いていない」と応じる。

小さな楽しいハプニングが多い日だ。「マコトさん。こんにちは。」と、以前忠彦丸で世話になっていた船長を船上で見かけて挨拶する。プライベート釣行なのか、臨時仲乗りなのか、との疑問を察したのだろう。「忠彦は若者向けだし、キスは元々好きな釣り物だし、ブラブラしているんなら、と(進丸の)タダシさんに拾ってもらったんだよ」。小学生時代からシロギス猛者の集う荒川屋に乗り込んでいて、その頃は忠彦丸社長が荒川屋の船長だったらしい。タダシ船長によると、マコトさんは「伝説の達人」だと。忠彦丸のマダイ名物船長だった横内さんも、進丸の隣に宿を構えて、奥さんが赤ん坊を背負いながら世話をする盛況だ。狭い業界で喜怒哀楽こもごもだろうが、「海が、魚が、釣りが好きでたまらない」一点は共通で、羨ましい。

予想外に手前マツリもせず、胴突1本針で序盤から釣り上げてニコニコの上さん。喰い込ませ重視で柔らかい竿に、扱いやすい同軸リールのセットを使わせたのが奏功したようで、ホッとする。テンヤタックルにおかめ天秤2本針で挑む俺よりペースが良い。マコトさん曰く「シロギス名人」の仲乗りさんが「良い曲がりだねー、テンヤ竿」と声を掛けてくれたのは良型一荷。それを見て目が三角になった上さんに、マコトさんが胴突の釣り方をレクチャー。この際俺もと、誘導天秤の釣り方を乞う。「教えちゃーダメ―」とうるさい上さんを無視して、道糸送り込みの誘いを教わる。なるほど、こんな誘い方もあるのか、誘導天秤の意味に納得。ポツンポツンと釣れるが、天秤を一か所に止め置いて送り出した糸を戻すほどに大きくしゃくり上げるのが難しい。どの釣りもそうだが、シロギスも奥深い。

中盤、50cmほどのくねくねした赤いタチウオのような得体の知れぬ魚を釣り上げ、気味悪さに大騒ぎの上さん。リリースしたが仲乗りさんによるとブツ切りの塩焼きが美味いらしい。ハプニングの多い日だ。俺にも何物かがヒットして強烈な引き。テンヤ竿をカンカンと曲げる都度ドラグを滑らせ、マコトさんがタモを取りに行く間に抜きあげたのは、35cmの大アジ。0.8号ハリスでのやり取りはスリリングだった。ハプニングの多い日だ。

送り込み誘いの習得に没頭していると、「あとどれぐらい?」と上さんが残り時間を聞く。アカタチ(?)騒ぎ後、ペースが落ちてお疲れ気味だ。「ええっと、あと1時間弱」と涼しく答えたが、このとき気付いた、このままでは数で負けると。ハプニングが多い日だが、これはマズい。お勉強している場合じゃない、釣果を出さないと。胴突2本針に交換、ポツポツ挽回、なんとか逆転して沖上がり。船中1-40。子供さんが多かったが、時折歓声が沸くほど盛り上げて、皆に釣らせた船宿の苦労を偲ぶ。

「あーぁ、両方とも負けやん」と、帰港中しょげ気味の上さん。フテ腐られてはたまらん。「今年初釣行でツ抜けは立派」と励ます。「そうやな。今まで3-4匹しか釣れんかったから初めてかも、ツツ抜け」と目が輝く。わかりやすい奴だ。実際には彼女の記録は15匹なのだが、ここで気を害してはいけない。「ツツ抜けじゃなくツ抜けや。大したもんや」と誉める。「そうやんな。色々釣れたし、熱くも寒くもないし、楽しかった。」と気を取り直す。素直さが取り柄だ。帰港後船宿で、ブログ読者のお子さんに「何匹釣れた?」とニコニコ聞く上さん。「26匹」の元気な答えに、「えぇ!?26匹も?」と聞き直す顔がひきつりだす、この子にも負けたかと顔が物語る。子供の観察力は鋭い。「皆でね」と、顔色一つ変えずに補足する。「あぁ、お父さんと三人でね」と安堵の表情を浮かべる上さん。わかりやすい奴だ、どちらが子供かわからない。黙って聞いていた俺に気付き、「変なこと書かんといてよ、ブログ。ツツ抜けしたんやから。帰ったら(犬の)散歩に行くから、キスは全部捌いてや。」と小声でささやく。ハプニング多くて楽しかったし、二人で25匹と今一の釣果も却って良かった、と苦笑いしながら応じる。「ツツ抜けじゃなくツ抜けや。俺は事実しか書かない。」


マイロッド9 マイリール5 PE0.8号
おかめ天秤15号、胴突15号、0.8号2本針
上さん
マイロッド5 マイリール7 PE1.5号
胴突15号、0.8号1本針