2010年2月13日土曜日

沖釣りを楽しむ -実釣編-

沖釣り(船釣り)が初めてならびに慣れない時には、釣り方にもまして家を出てから帰るまでのプロセスがわからなくて不安だった。釣り方の解説は書籍やWEBに数多いが、手続きや注意点に関しては、港や船宿によって異なることもあってかあまり見受けない。今でも初めての船宿では戸惑いや失敗もある。それらを踏まえて、おおよその流れと注意点を記しておこう、と思い立った。大きな流れは、準備・出発~受付・乗船~実釣~下船・帰宅だ。全てを楽しみたい。

<実釣編>

1)出港: タックル状態を確認し、キャビンで休息しよう
出港するとタックルや道具が落下・落水しないか確認しよう。沖に出れば出るほど波風が強くなることが多いので油断できない。

釣り場まで10分の釣り物もあれば、1時間以上かかるものもある。時間のかかる時、凪ならともかく、波やうねりがある日は、出港したらキャビンに入って休むのが良い。さもないと風の向きと強さによるが濡れ鼠になる。夏場ならともかく冬場は尚更だ。釣り場に着いたときに、指がかじかんでいるだけでもつらいが、全身冷凍マグロ状態では釣りどころではない。

2)実釣: 船長の指示・アドバイスに従う
五万とある釣り物のテクニックを論ずるつもりもそれだけの腕もない。ここでは、どんな釣りにもあてはまる基礎知識を記す。
  • 投入準備: 釣り場に近づいたら船は減速してポイントが定まるまで蛇行・旋回する。すぐに釣り場に戻り、ハリスを結び付けエサをつける。出港前後に船長が使用するハリスの太さや長さを説明した場合は、それに従う。釣れる確率があがる他、船中で統一することでオマツリや魚のチラシを避けるためだ。また、クーラーボックスに海水を魚が浸る程度入れて冷やしておく。
  • 開始: 開始の合図と同時に投入。潮回りや水温他の影響もあり一概には言えないが、朝一番でヒットする確率が高い(朝マズメ)からだ。
  • タナ位置: 魚のいるタナがアナウンスされた場合、その範囲にビシや付けエサを沈める。棚指示は海面からの場合や海底からの場合がある。リールのメータは誤差が時には数メータにもなるので、道糸のマークで合わせる。棚取りが正確にできないと釣れない。ズレているとオマツリを起こしたり、魚を散らしたりして、他の釣り人に迷惑をかける。
  • ドラグの設定: 魚が喰ってある程度引くとハリス切れを避けるためにリールを滑らせて道糸を出す機能。釣りものによってユルユルであったりキツキツであったりするので、予習を要す。魚とやり取りする腕にもよる。
  • 誘い: 釣り物・状況によっては置き竿でじっと待つほうが良い場合もある。が、基本的に魚は動くものに反応するので、やはり手持ちで誘いをかける人のほうが釣果はよい。
  • コマセの詰め替えと付けエサの交換: エサが外れたり、気付かぬ間にエサだけ取られていることが、意外に多くある。頻繁に詰め替え過ぎても、タナにエサがない時間が増える。釣り物やエサ取りの多少によるが、できるだけエサがタナにある時間が長くなるようなインターバルでコマセの詰め替えとエサの確認・付け替えをする。オーダとしては3~5分が目安で、結構頻繁に上げ下げすることになる。
  • アタリとアワセ: 竿先や手元にコツコツきたらアタリ。まだ針掛りしていないのでアワセる。そのタイミングが、釣り物によって即であったりじっくり待ってからであったりして難しく、予習が必要。
  • 巻上げと取り込み: あまりにガンガン巻くとハリス切れの恐れがあるが、巻上げはテンションを緩めないことがどんな釣りでも大事。緩めた瞬間に針が外れることが多いからだ。船上に取り込んで初めて釣果にカウントする。水面でテンションが緩んでバラシたり、抜き上げようとして船べりにぶつけてバラシたりも多い。海面まで巻き上げたら船長や隣の釣り人にタモ入れしてもらうのが無難。
  • 魚の処理: 無事取り込んだ魚で小さい物はリリースする。キープサイズはタルの海水に活かせておく。死ぬ前に〆たほうが良い。種類やサイズによって、血抜きしてからクーラーボックスに入れたり、活かせたままクーラーボックスに入れて氷〆にしたりする。慣れないうちは怪我しないように、氷〆がお勧め。
  • 喰いが立っているとき: 船中あちこちで釣れるような喰いが活発なチャンスタイムが一度はあるものだ。ある程度続くこともあるが数分で終わることも少なくない。この時のんびりしていたりモタモタしていたりしてはいけない。その時しかチャンスはないかもしれない。釣れたと長々喜んでいる場合でもない。手返しよくすぐに再投入して数を伸ばす。
  • 自分だけ釣れないとき: 周りが釣れているのに自分だけ釣れないこともよくある。タナか仕掛けかエサか誘いか、何らかの原因がある。闇雲に修正を図っても大抵迷路にハマりこむ。釣れている人のマネをするのが得策。それがだめなら、中乗り、船長にアドバイスを乞うのが賢明。
  • 喰いが渋いとき: 船中で誰にもばったり釣れない時間もある。引き出しがさほどあるわけでもないので、あがいても無駄。魚を〆て血抜きし、クーラーボックスに入れるのに好機。のんびりお茶やお菓子あるいは昼食を取りながら景色を楽しんだり、船中巡りをするのがお勧め。
  • 移動: 魚探反応が消えたときや、反応はあるが口を使わないときに、ポイントを移動すべく、仕掛けの回収を船長が指示する。すぐに巻き上げ、移動後の再投入に備えて準備する。
  • 船酔いしたとき: 我慢せずに吐くのが、早期回復への近道。トイレで吐くのがエチケットだが、そこまで行くのもつらければ身を乗り出して海面に。酔ってからでも効くので酔い止めを服用。具合が悪ければキャビンで横になり、静かに回復を待つ。
最後に、船では船長の指示は絶対だ。必ず従うこと。釣りに関するアドバイスも素直に聞いたほうが賢明だ。少し慣れてくると別の試みをしてみたくなるものだが、大抵実らない。なんせ船長は毎日やっているのだ。経験の幅と深さは、慣れとはケタが違う。成績がお客を呼ぶことになるので、なんとか釣らせようと懸命な船長が多い。釣れなくても沖上がりまであきらめずに。

3)沖上がり: 借り物は返し、テキパキ片づける
時間になると船長が終了を告げる。直ちに仕掛けを回収して後片付け。航行し出すまである程度待ってくれるので、テキパキと片づけたい。
  • コマセや付けエサの処分: 余ったコマセをそのままにするよう指示があった場合は、桶ごと取付金具とともに船内に入れる。特に指示がない場合、コマセを海に捨てて桶と取付金具を船内に入れ、汚れ落としのため流水を浸す。付けエサは捨てるか、再利用するならタッパ等に仕舞う。
  • タックルの分解: クッションゴム・天秤等を取り外し、ハサミ・針はずし等道具類とともにレジ袋かビニール袋に仕舞う。仕掛けは捨てるか、再利用するなら仕掛け巻き等に仕舞う。竿を立て掛け、竿掛けを外して仕舞う。ゴミ入れ用レジ袋は船内のゴミ箱に捨てる。
  • 借り物の返却: 残る魚をクーラーボックスに入れて空にしたタルを、添え木や貸しビシとともに借り物を元の位置に返す。
  • 清掃: 釣り座が元の状態になったら、船べりや内棚にさっと水をかけタオルで汚れを落とす。クーラーボックスやタックルボックスの汚れもタオルでさっと拭き取っておく。
船長や中乗りは帰港後すぐに清掃を始める。できるだけ手が掛からないように配慮すると上述のようなことになろう。片付け中に船は動き出すので船内移動はできるだけ控えよう。帰港まで時間がかかる時は、行きと同様に、片付けが終わり次第キャビンで休むのがよかろう。

下船・帰宅するまでまだ釣行の一部だ。

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