2010年7月13日火曜日

釣りバトル第8戦 呪いのTシャツ

2010年7月11日(日、大潮)釣行

三浦丸
外川沖 水深20~30m
曇り時々晴れ 南西の風3~5m 波1m

俺 ヒラメ 0
上さん ヒラメ 1枚 48cm 1.2kg

出張から帰ると、いつ釣行するのかと上さん。釣りにハマったか次が待ち遠しいらしい。梅雨前線上を低気圧が次々通るのでタイミングが難しい。「土曜は出船するだろうが雨風強いで。湾内港前でアジかキスにしとこか」と提案。「雨も風もいやや。それにコンマイのは飽きた。大きいの釣りたい」とお嬢様釣行をご所望。「日曜なら雨風弱い。タイはもう釣れてない。ヒラメにするか、遠いけど」に、「うん、誰に大きいのがくるかわからんのやったら、1枚の重さ勝負がいい」とあくまで勝ちにこだわっているらしい。「運転は代わったるから」とも言うが、これは信用できない。土曜はライフジャケットを求めて釣具店を巡るが、色がお気に召さないらしく結局買わず。「これ面白いから買いな」と、俺用にTシャツを買わされる。

「こんなに喰わんもんなん?」と上さん。残り1時間。波風予報は的中、凪で穏やかな海上、12名の船中ではポツポツ釣れていた。が左舷ミヨシ1、2番に陣取った俺と上さんには全くアタリがない。予習はさせておいたが、中盤唯一のアタリをビックリ合わせで逃したのも悔しいらしい。初挑戦では仕方ないし、おれにも経験がある(ヒラメ デビュー)。同じくアタリなしだったお隣3番氏にヒット。取り込みを見た上さん、ふてくされモードに入りつつある。こりゃーまずいと、「右舷は全員釣れたし、左舷はトモから順番に来たから次はお前や」と慰める。が、逆効果だったか、手持ちで竿先を無言で睨み続けている。イワシエサの付け方もすでに手慣れたものだし、底立ちをまめに取り直している様子からタナは外していない。俺もあれこれ試みたが奏功せず「ここまで来ると喰う喰わないは時の運」な心境で、置き竿をぼんやり眺める。

「き、き、来た!どうしよー!!」に振り向く。典型的な前アタリを示す竿を持ったまま、顔をひきつらせた上さんが固まっている。「よし、動くな!そのまま待て」と怒鳴り、アシストに近寄る。小さな引き込みを二度三度みせるも「まだまだ」とアドバイス。ジリジリする。竿先が海面に引き込まれるのをみて、「今だ!ゆっくり大きく竿を立てろ!」「お、重くて、上がらへん」竿がのされる。「よこせ」と竿をひったくりアワせる。海底からひきはがした良い手応え。竿尻を腹にあてさせて竿を持たせ、角度保持のため竿を支えながら巻かせる。「姉ちゃん(には違和感があるが)、ついに来たねー」と観衆が一人二人とタモを片手に寄ってくる。そのタモを取り上げた船長が上さんを挟んで反対側でスタンバイすると、「マツってぇど!」と怒鳴る。見ると俺の道糸が上さんの竿のほうに傾いている。慌てて俺の竿先を上さんのに寄せて、ペースを合わせて巻く。バラさないかと薄氷ものだ。魚体が浮くや否やスパッと船長がタモ入れ。食べ頃の良型だ。「やったー」「おめでとう」の声援に上さん唖然、目の前のヒラメに呆然。代わりに「ありがとうございます」と礼を言う。しばらくしても「まだ足がガクガクしてる」と上さん、まさに感動の一枚。オマツリは幸いにも仕掛け最上部のスナップ付サルカンに絡んでいて、事なきを得た。ホッとすると同時に、嬉しい。初チャレでなんとか釣らせることができた。

「もう終わりやんな」と上さん、やけにニンマリしている。「勝ったと思ってるやろ。まだわからんぞー」と応じる。今日のエサは10cm~15cmの小型イワシがほとんどだが、少数混じっていた25cmのウルメイワシを投入、大型狙いに絞ったからだ。12時帰港(あるいは30分以上前の納竿)は過ぎているが、船長は少し延長してくれるつもりなのか帆を下す様子を見せない。なぜかこのまま終わる気がしない。と、待望の前あたりで手持ちに切替。一度軽い引込を見せたが喰い込まず。「あー、逃げた」に上さんはVサイン。エサをチェックするとしっぽ近くに噛み痕。万事窮すか…。いや、まだだとそのまま再投入。弱っているというかすでに息絶えたエサなので若干高めのタナにセット。

竿を仕舞う人がポツポツ出てきた。同情とも励ましとも言える視線を感じる。置いた竿先に注意しながら、道具類を片付け始める。ほどなく、カタカタという前あたりの直後、一気に竿が海面に突き刺さる。慌てて聞き上げると、竿が満月に。「乗った!」に、上さんは「またこれや、いっつも最後に…」と落胆の表情。「がははは、逆転サイズやな。」と言いながら巻き上げ始めるとすぐに船長がくる。船中最後の型見ずなので操舵室から見守っていたのだろう。あと数mだが濁り潮で魚影は見えない。と思った瞬間、急に暴れだしドラグが滑る。「あっ」と船長と俺が同時に声をあげるほど、なす術もない間にフッと竿がテンションをなくす。「バレた!」巻くほどもなく引き上げた仕掛けには、上さんの道糸が孫針に絡みついている。海面近くで上さんの道糸に絡んだそいつが暴れ、テコ作用の針はずしになって命拾いしたらしい。「あれじゃない?」と上さん、ユラリと消えていく海面下のヒラメらしきを指さす。3年間数多くのバラシの中でも、最上級の痛恨バラシ…。

さすがに竿を仕舞う。でないと船長はさらに延長しそうだ。船中0-4、唯一の0。ヒラメ初ボウズ。釣りバトルも8戦目にして初の敗北(通算5勝1敗2分け)、罰金…。なのに妙にイラつくわけでも落ち込むわけでもない自分が不思議だ。上さんは俺がブチ切れるのを恐れたか神妙な面持ち。そこで「今日はこのTシャツどおりになった」と背を向けると、「ホンマや、ワハハハ」とバカ笑。…気遣うまでもなかったか。「これ持ってけぇんな、シラス」と帰港後の船長。「惜しかったねー、最後にやっと喰ったのに」とお客さんにも次々と慰められる。その度に「このとおりになっちまいました」と笑いながら背中をみせる。むろん上さんのような高笑いをした人はいない。深夜1時に出発、夕方4時半に帰宅。15時間以上をかけて、記憶に残る感動の一枚を射止めた上さんのヒラメデビュー。言うまでもなく、行き帰りとも運転は俺、上さんは爆睡である。目覚めた上さんの一言も記憶に残る。「あー、初めて勝ったし、手応えが良くて面白かった。また行こな、ヒラメ!」…ハマったな。

シマノ BJSミヨシ 40-255+B
シマノ 電動丸1000SP PE3号
ハリス6号1m、捨て糸4号1m・50cm・30cm、孫針トレブル
小型水中ライト
錘60号 発光丸型

上さん
アルファタックル POWER INNER 船 30-270
ABU 5500Cアンバサダー PE2.5号
ハリス6号1m、捨て糸4号1m、孫針トレブル
錘60号 発光キラキラ小田原型