2015年1月10日土曜日

もう一年

ちょうど一年前の今日1月10日だった。その一夜は今でも鮮明に覚えている。金曜日で仕事も終えて後輩の送別会に向かうべく事務所を出たところで、携帯に着信があったことに気付いた。次男の嫁Aからだ。滅多なことでは俺には電話しない。嫌な予感がした。折り返すと彼女はパニック状態で要領を得なかったが、救急車で上さんを緊急移送中であることはわかった。1時間の通勤経路が2時間に感じられた。ようやく病院に着いたとき、すでに蘇生術は停止され、冷たくなった上さんが移送台に横たわっていた。いつもの穴の開いたパジャマで、苦しくも楽しくもないすまし顔だった。名前を呼んでも揺すっても反応はない。なぜか涙もでなかった。はだけた胸元を黙って繕うくらいしかなすことがなかった。葬儀屋の手配やら検死の移送やら警察の検証やら親族への連絡やらと慌ただしい中、妙に冷静な自分がいた。酒をあおって寝床に着いたが2時間ほどで目が覚めた。朝5時キッチンでコーヒーを立てていると、ふいに涙があふれた。あれからもう一年…。

一回忌法要。といっても月命日の墓参りと変わらない。供物や生花を豪華にして、高価な線香にしたぐらいだ。坊主は呼ばず、自分で読経した。次男K家族も合掌する。仏前では毎日朝晩焼香してきたが、今日は四六時中焼香し、好きだった音楽を一日流す。喜んでいることだろう。月例仕立ての日だったが法要のためエントリーせず。「ええから釣りに行っといで」と言われただろう。存命ならまたマダイを頼まれたろう。声がないのは、さびしくもあり、ありがたくもある。明日は沖の瀬のヤリイカにしよう。